でこらいふろぐ

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第69回京都大学・東京大学対校競漕大会に向けて

注:こちらは第69回京都大学・東京大学対校競漕大会のパンフレットにOBとして寄稿したものとなります。この文章をよくするため何度も読んでアドバイスをくれた同期のSくん、当時のことをほとんど覚えていない私といろいろ話して思い出させてくれたTさんに特に感謝。 なお、このブログを投稿しようと思って調べていたら、ちょうどまさに今男子4+のレースが行われている真っ最中であった。勝ってほしいものである。 以下本文

私が4+に乗って東大戦を戦い負けたのは第57回東大戦だった。今回が第69回になるので、もう12年も前になるのか。

さすがに12年前だとあまり詳細なことは思い出せなかったのだが、当時の資料を送ってもらったり同期から話を聞いたりしている内に、"失われた時を求めて" の主人公がマドレーヌと紅茶を食べてかつての記憶を思い出すかのように、とまではいかないかもしれないがそれでも段々と鮮やかに当時の記憶が蘇っていったのであった。

東大戦の前に行われた壮行会で私が「記録には残るが記憶には残らないレースをします。京大が圧勝すぎて競り合いがないのでドラマチックな展開にはならないため記憶には残らないレースになる」という話をしたこと、COXが計量に向けて体重を増やそうと頑張っていたこと、観戦のため愛知から親が来てくれたこと、強風でスタート地点が荒れており方向を定めることに難儀したこと、スタート直後は勝っているかな?と感じたが京大の艇庫前ではもう差がつけられていたこと、大差で負けたこと(競り合いがないため記憶に残らないレースになってしまった…)、8+が勝って京大初の4連覇を達成し、喜ぶべきところではあったが大変みじめな思いをしたこと。

東大戦では完敗したわけであるが、そんな私もつい先日子供が生まれた。東大戦に負けても幸せな人生は歩めるものである。東大戦の練習・敗北が私に何を残したのか。正直なところ今から振り返ってもそれはよくわからない。 人生の大きなイベントなんて後から振り返ればそんなものではあるが、そんなもののために命を賭けるのがまた人生である。なににでも命を賭けるほど頑張ったほうが面白い。というのがあれから12年で成長した私の人生観になっている。 今年の命を賭けた勝負、楽しみにしています。

この文章を書きながら、"私の子供もボートを漕ぐとしたら、東大に勝ってほしいな"と思ったりした。個人的には子供に自分の夢を追わせるのは醜いと考えているが、それでも"東大に勝ってほしい"と思わせるだけの悔しさは確かにあるのである。京大の勝利を祈っています。

注2: ブログの投稿日が4月になっているが、これは4月に1度誤って投稿してすぐに非公開にしたことによるものだと思われる。